全国高校野球選手権新潟大会で3年ぶり9回目の優勝を決めた日本文理ナインが、決勝から一夜明けた27日、同校で開かれた甲子園出場壮行会に出席。全校生徒約800人の激励を受け、あらためて全国制覇への決意を固めた。壮行会後はグラウンドに出て軽めのメニューで汗を流し、甲子園に向けての準備を始めた。

 同級生の熱い視線とエールが、日本文理ナインに優勝の実感と、甲子園での闘気を与えた。

 午前9時から開かれた壮行会。体育館には開催中の全国高校総体への出場や、夏合宿中の部活の生徒をのぞいた約800人が集まった。その中を、県大会優勝旗を手にした笠原遥也主将(3年)を先頭に、県大会ベンチ入りメンバー20人と山下ゆりマネジャー(3年)が入場。壇上に整列した。

 前日26日の決勝は中越に6-4で競り勝った。精神的、肉体的に疲れがあってもおかしくなかったが、それを消し去ってくれたのが母校の仲間たちの存在だった。「こんな盛大な壮行会は初めて。優勝するってすごいんだなと思った」と、エースの稲垣豪人(3年)は驚きを隠せなかった。

 五十嵐藍生徒会長(3年)が「私たちを甲子園に連れて行ってくれてありがとうございます。あきらめない文理魂で勝ち抜いてください」とあいさつ。笠原主将は「応援が力になることを感じました。全国制覇に向かって頑張りますので、応援よろしくお願いします」と感謝と決意を言葉にした。

 校内でも野球部の甲子園出場の期待は大きかった。全国高校総体に初出場するサッカー部は当初26日に試合会場の宮城県に向けて出発する予定だったが、決勝戦が雨天順延で出発日と重なったため、1日遅らせて決勝戦を全部員で応援した。野球部の佐藤部長(55)は「うちの選手たちもそれを知っていた。だから負けられなかったんです」と言う。

 大井道夫監督(75)は「甲子園で日本文理の校歌を一緒に歌いましょう」と生徒たちに向けてあいさつ。学校全体の一体感を背に、悲願の全国制覇に挑む。【斎藤慎一郎】