第99回全国高校野球選手権(7日開幕、甲子園)の北北海道代表、滝川西が1日、甲子園練習を行った。右翼手兼投手の奥村翼(3年)は守備で右翼からレーザービームを披露、投球ではマウンドの感触を確かめた。事前の打撃練習ではサク越え7本と絶好調。チーム19年ぶり3度目の出場となる甲子園で、背番号9が“投攻守”での大暴れを誓った。南北海道代表の北海はこの日、関西入りした。

 “投攻守”で暴れる準備は整った。ずっと憧れてきた甲子園。30分間、ノックなどで汗を流した滝川西の奥村は「楽しかったです」とストレートに表現した。外野の広さ、観客席の多さなど、初めて見る施設、環境に当初は戸惑ったが途中からはのびのびとプレー。独特の雰囲気をしっかりと肌で感じ取った。

 「投」で好感触を得た。エース鈴木愛斗(まなと、3年)と一緒にマウンドに上がった。「投げやすい。ここは自分に合っている」。7球で肩が出来上がることが自慢で「愛斗からの継投はいつでもいけるようにしたい」と見据える。

 「守」では魅了した。右翼から三塁や本塁に地肩の強さを生かしたレーザービームを連発。チームを盛り上げた。

 「攻」の調子は上がってきた。すり足打法だったが北大会後にフォームを変更。今は投手の動きに合わせて、2段階で足を上げ最後は一本足で合わせるイメージで打席に立つ。この日、甲子園に入る前に兵庫・伊丹市内で行った打撃練習では25スイングでサク越え7本。「縮こまった動きより思い切って振った方が良い」と手応えをつかんだ。

 北大会では「6番・右翼」で全4戦でスタメン出場した。投手としては空知地区予選で1試合登板も北大会では機会はなかった。16打数5安打をマークしたが持ち味の長打はなく、もっと貢献したい思いを胸に秘める。高校入学時は投手で、マウンドへの格別な思いもある。「1本狙ってみたい。投げられたら抑えたいですね」。背番号9が大舞台で羽ばたく。【西塚祐司】