1日に出場を決めた仙台育英は最多の5人を誇る。西巻は系列の秀光中に進学。全国中学軟式野球大会で日本一となり、「育英で日本一になろう」と楽天ジュニアの同期に声をかけて集結していた。再びチームメートとなった長谷川拓帆投手(3年)は「他のメンバーに負けられない。気合が入る」と気を引き締めていた。

 当時、西巻と二遊間を組んだ青森山田・工藤飛馬内野手(3年)も再会を喜んだ。「みんなで甲子園に行こうと言ってたのが現実になって、うれしい」。山形からただ1人選抜され、当時副主将としてチームをまとめた日大山形・舟生大地捕手(3年)は「大会は予選リーグで負けちゃったけど、北海道遠征は楽しかった。チームのレベルは高かったし、勉強になった」と当時を回想した。

 東北勢は過去98回の大会で1度も優勝がない。お互いの健闘を誓いつつも、目指すは自チームの優勝のみ。準々決勝からは再抽選で東北勢同士の対戦もあるが、西巻は冷静だった。「目の前の試合を1つ1つやるだけ。東北に優勝旗を持って帰りたい」。東北のプライドを胸に聖地を踏み締め、日本一をかけた戦いに臨む。【高橋洋平】

 ◆楽天ジュニア プロ12球団ごとに小学6年生を中心としたジュニアチームを結成し、05年から始まったNPB12球団ジュニアトーナメント(軟式球使用)に出場する。楽天ジュニアは東北6県でセレクションが行われ、宮城県で最終選考が行われる。ジュニアチームから過去20人がプロ入りを果たしたが、楽天ジュニアからのプロ入りはない。