地元愛媛の応援を背に挑んだ済美(愛媛)はセンバツ王者を追いつめたが、最終回に力尽きた。1点を追う6回に、8番矢野功一郎内野手(2年)の右前適時打で4-3と逆転に成功。先発の八塚(やつづか)凌二投手(3年)は粘投を続けていたが、9回に連打を浴び無死一、三塁とされると最後はサヨナラ3点本塁打を浴びた。

 八塚は「日本一のチームに胸を借りるつもりで、1球1球投げたいと思っていた。愛媛県民の皆さんも応援してくださっていたので、なんとか日本一のチームに勝ちたかった。悔しいです」と唇をかんだ。逆転した6回が終了時には、済美ナインにスタンドから大きな拍手が送られていた。

 八塚の代が済美に入学した時は、部内のいじめで1年間の対外試合禁止処分中だった。「(当時は)真っ暗で先が見えなかった。死にものぐるいでやってきて、こういう形で坊っちゃんスタジアムで終われて、恵まれた代だと思います」。卒業後は社会人で野球を続ける予定。「しっかり磨いてプロ野球選手を目指していきたい」と新たなステージを目指す。