智弁学園(奈良1位)が西脇工(兵庫2位)に9回サヨナラ勝ちし、準々決勝進出を決めた。4-2で迎えた終盤の8回、連続四死球から西脇工に同点に追いつかれた。それでも最終回、2死二塁から6番畠山航青外野手(2年)が左翼へサヨナラ2点本塁打を放ち試合を決めた。

 先発の伊原陵人(たかと)投手(2年)は終盤に四死球で崩れるも、9回6安打13三振。6回までに5連続三振を含む10三振を奪い、最終回に3三振を奪った。伊原は「今日は悪くなかった。三振を取るピッチャーではないので、今日は良かったかなと思います」と手応えもあったが、小坂将商監督(40)は「前半飛ばしすぎですね。精神的にまだまだ、試合を重ねて修正していかないと。三振を取るピッチャーじゃないので、内野のリズムを作れるように」と厳しめ。

 16年のセンバツ優勝を、伊原はスタンドから見守っていた。「村上さん、松本さんは偉大なピッチャー。まだまだ差はあるけど、入ってきたからには、超えられるようなピッチャーになりたい」。16年、17年のエースの名前を挙げて背番号1は宣言した。今夏は県大会準決勝で敗れ、届かなかった甲子園。3年連続の春の甲子園へ、まずは初戦を突破した。