14年夏以来の甲子園白星を狙った富山商は、強豪、智弁和歌山の前に2-4で敗れた。

 秋季大会をほぼ1人で投げきった絶対的エース沢田龍太投手(3年)が先発。「すごく緊張した」と話した沢田だったが、初回から自己最速を3キロも更新する143キロを記録。ノビのある直球と右打者にはスライダー、左打者にはフォークを武器に強打の智弁和歌山打線を7回まで2失点にまとめた。

 しかし2-2で迎えた8回。「7回から疲れが出て、ボールが多くなった」と話すように2死から失策と四球で一塁、二塁のピンチ。智弁和歌山9番池田に中前打を許し、中堅手の失策も絡んで2点を失った。

 「スライダーが甘く入ってしまった」と反省したように、この2点が敗戦につながった。

 161球の熱投後、開口一番に「勝てるゲームだったかな」と唇をかんだ沢田。「体力的なものと相手打線を意識した分が後半、疲れに出た」と投球内容を振り返った。それでも「コースにいけば抑えられる」と直球には手応えを感じていた。

 沢田について前崎秀和監督(40)は「ロースコアの展開できつかったと思うが指にかかったいい球もあった。満足することなく、もっと上を目指してほしい」とさらなる成長を期待した。

 打っても2回に先制の適時打を放ち、チームをけん引した沢田。「夏、戻ってくる」と力強く話し、視線はすでに夏を見据えていた。