岩手県大会では、花巻東の先発左腕・平山涼太(3年)が5回無失点と好投し、水沢に8-0で7回コールド勝ち。

 今大会から背番号1を任される花巻東・平山が、エース争いに名乗り出た。この日計測した自己最速の134キロ直球に、右打者にはチェンジアップ、左打者にはフォークを織り交ぜ、水沢を5回2安打3奪三振無失点。チームを準決勝進出に導き「この春に活躍して、エースを取る。夏まで背番号1を渡したくない。チームに信頼されるような投手になる」と胸を張った。

 屈辱からはい上がる。8強入りした今春のセンバツは、左肩痛と制球難を理由に大会直前の登録変更でベンチから外れた。佐々木洋監督(42)はそんな平山にあえて背番号1を託し、奮起を促していた。「夏には平山が必要。自分がエースになるんだという気持ちを持ってほしかった」。センバツのエース左腕・田中大樹(3年)は今春から打力を生かすために外野兼任。2年生右腕の西舘勇陽は腰痛で今大会のベンチ外という状況下で、左腕・平山の成長は必要不可欠だ。

 後輩に刺激を受けていた。19日に全国最速となる153キロをたたき出した大船渡・佐々木朗希(2年)は、平山が卒業した大船渡一中の1学年下で、軟式野球部では左右の両輪を形成していた。「朗希にはびっくり。自分も負けないように、秋、春、夏と3季連続(優勝を)取るのが目標」と意気込んだ。【高橋洋平】