名門VS剛腕! 第100回全国高校野球静岡大会(7月7日、静岡・草薙球場で開幕)の組み合わせ抽選会が23日、静岡市の清水マリナートで行われた。出場は111校で1回戦では、浜松商と湖西の好カードが実現する。2000年(平12)以来18年ぶり10度目の夏の甲子園出場を目指す浜松商と、現世代の県高校最速タイ145キロを投じるエース水野喬日(もとか=3年)の湖西が、雌雄を決する。

 浜松商と湖西の対戦が決まると、抽選会場がどよめいた。ともに今春の県大会出場を逃したが、頂点を狙える実力校同士。抽選を見守った湖西の水野は、落ち着いた表情で素直な感想を口にした。「本当は当たりたくなかったです」。同じ西部同士で複雑な思いもあったが、すぐに気持ちを切り替えた。「打線がいいと聞いています。当たった以上は、気合を入れていくだけです」。

 水野は、最速145キロの直球と鋭いスライダーを投じる今大会屈指の右腕だ。昨夏もエースとして登板。優勝校の藤枝明誠と3回戦で対し、2-3と苦しめた。あれから1年。精神的にも成長し、プロ12球団が視察済みの好投手として知られる存在になった。

 一方の浜松商は、春夏通算17度の甲子園出場を誇る伝統校。夏への調整力が高く、一昨年、昨年と2年連続で4強に進出している。その状況を踏まえ、中山敬悟主将(3年)は「ベスト4の壁を越え、必ず甲子園に行きます」と宣言。水野との対戦については、「速い投手なので、逆方向を意識して打ち崩したいです。バッティングの勝負になると思います」とイメージを描いた。伝統のつなぎの野球に加え、158センチの望月勇哉内野手(3年)や梅沢龍生外野手(3年)らを中心に、力強く振れる選手もそろっている。

 好投手と伝統校の激突。14日午前9時、浜松球場が熱気に包まれる。【鈴木正章】