市ケ尾(北神奈川)が、MLB流トレーニングで新たな歴史を築く。1-2の4回無死一塁、4番石津友哉主将(3年)が直球を右翼席へ。高校通算15本目となる逆転2ランで座間に10-2の大勝を呼び込み「公式戦では初めて。打った瞬間、手応えがありました」と喜んだ。

 昨秋に就任した菅沢悠監督(31)が「メジャーを見て、楽しそうにやっているなと思った」と、MLBアカデミーの練習を取り入れた。ロングティーはやらず、毎日15分間の置きティーでフォームを固める。守備練習はノックではなく、フリー打撃の打球を受ける。投手は故障予防で、練習から球数制限がある。情報はMLBホームページや、現地の指導者のSNSで収集。短期間で改革し「点数のとり方は分かっている」と選手を信頼する。

 試合前、選手たちは笑顔で「レッツ プレー ベースボール!」と声を合わせる。石津は「僕の中では、サザエさんの中島くんの『野球しようぜ!』の感じで言っています」と笑う。練習が楽しく、部活を心待ちにする毎日だ。4回戦は、今春地区大会で3-5と接戦で敗れた桐蔭学園が相手。目標の8強入りへ「勝つ自信はあります」と胸を張った。【保坂恭子】