聖光学院が15-2で福島商を圧倒し、12年連続15度目となる夏の甲子園出場を決めた。

 夏12連覇は、第1回から第14回(1915~28年)まで14年連続出場した和歌山中(現桐蔭)に、あと2と迫った。戦後では現在8連覇中の明徳義塾(高知、26日決勝予定)、22日に8連覇を決めた作新学院(栃木)や、智弁和歌山の「8」を上回る最長記録だ。

 昨秋、今春と東北大会を連覇した強力打線が爆発した。1回表に五味卓馬外野手(3年)の中前2点適時打などで3点を先制。同裏に1失点したが、3回には須田優真内野手(3年)が左越えソロ本塁打で加点。7回にも五味の左越え2ランを含む5連打で打者一巡の一挙6得点で試合を決めた。決勝での15得点は1県1代表制となった78年以降では福島初となった。

 今春センバツでは東海大相模との2回戦で3-12と屈辱的な大敗を喫しただけに、リベンジの権利獲得は通過点にすぎない。主将の矢吹栄希内野手(3年)は「自分たちは12連覇とか優勝とか、勝ちたいとかだけではなく、がむしゃらにやることを意識するようになった。しんどい練習だったり、選手間でぶつかりあったりだとか、苦しいことを乗り越えてきた自信があるので、プライドを持って戦いたい。日本一の挑戦者として日本一を目指したい」。胴上げで22回も選手たちに上げられた斎藤智也監督(55)も「子どもたちには『お前らにとっては“1連覇”だ』と言ってきた。東北大会でも負けないとか、結果が出過ぎた代なので、負けるのがここ(夏の決勝)かもしれないと考えることもあって、それを払拭(ふっしょく)するのに気を使った部分も大きい。歴史の中でも一番ひたむきにやってきたチームなので、報われて良かった」と安堵(あんど)の表情も浮かべた。