看板直撃弾、おかわりだ! ドラフト候補の横浜(南神奈川)万波中正外野手(3年)が、横浜スタジアムのバックスクリーン看板を直撃する通算39号2ランを放った。3安打5打点を挙げ6回コールド勝ちに貢献。1年夏、同球場でバックスクリーン直撃の公式戦1号を放った主砲が3連覇へ導く。

 打球は、4番万波らしい弧を描いた。3回1死二塁。カウント2-1から外角低めの直球にバットを合わせた。はじかれた球は、低い弾道でバックスクリーンめがけて伸びた。赤いコカ・コーラの看板左下にぶち当たると、観衆がざわめいた。「打球は見ていない。振り抜いたら最高の結果になった。懐かしい気持ちになった」と2年前を思い出した。

 1年夏。横浜スタジアムで放った公式戦1号も推定135メートルの看板直撃弾だった。「あれから苦しい思いもしたので、感慨深い気持ちになった」。昨夏の神奈川大会決勝で5三振し、打撃フォームを模索し続けた。今は、右のお尻に意識を集中させ重心を低く構える。体が開きづらくなり、高めのボール球にも釣られなくなってきた。「成長できているかなと思う」と控えめに笑った。

 単打が出ればサイクル安打の活躍で、チームを準決勝に導いた。万波の憧れは、アメリカ野球殿堂入りしている元マリナーズのケン・グリフィーJr。通算630本塁打を放ったメジャー屈指のオールラウンドプレーヤーだ。「足も速いし、打っても守ってもチームに貢献しているから。自分もチームに貢献して少しでも長い夏にしたい」。3連覇まであと2勝だ。【和田美保】