茨城連覇だ! 第100回全国高校野球選手権(8月5日開幕、甲子園)茨城大会は25日に決勝戦が行われ、土浦日大が2年連続4度目の甲子園出場を決めた。常総学院との決勝、打撃では4回表、打者一巡の猛攻で6点を奪うビッグイニングを作り、投げてはエース富田卓投手(3年)が9回を投げ被安打6、1失点と投げきった。

 強打の常総を上回る強打で甲子園をたぐり寄せた。2回裏に1点を先制され迎えた4回表、1死満塁。9番石渡耀内野手(2年)の中前適時打で同点とすると、続く1番主将の鈴木健太外野手(3年)が右前適時打で逆転に成功。「1点を取られたのが守備での自分の判断ミスだったので、取り返そうという思いだった」。この回は打者11人の猛攻で6点を追加。そのまま9回まで逃げ切った。打線の爆発に応えるように、先発したエース富田が最後まで粘投し封じ込めた。

 王者としてというよりも、リベンジの夏だった。昨夏甲子園に出場し、プライドを持って臨んだ秋季県大会。明秀学園日立に0-16のコールド負けを喫した。同校グラウンドのスコアボードには、敗戦翌日から3月まで屈辱のスコアを再現し、その悔しさを原動力にチーム全体で士気を高めて練習を積んだ。富田は打ちこまれた原因を分析し、捕手の小沢礼嗣(3年)とも話し合って配球を大きく変えた。「秋は配球が単調だった。球は速くないのでもっと相手に読まれにくいようにしないと」。試行錯誤を重ね今大会でも試合を重ねるごとに手応えをつかんだ。内角から外角、幅広く投げ相手を翻弄(ほんろう)し「自信を持って投げられました」と胸を張った。

 昨年のチームは練習の量を徹底的にこなしたが、このチームでは質を重視。鈴木の場合は、冬の1カ月間、守備練習を全く行わずに打撃練習に特化。「監督さんが好きな練習をやらせてくれたので、自分は打撃を鍛えた」。十数種類のティー打撃をこなし、基本の確認に時間を割いた。準決勝では2打席連続本塁打を放つなど打撃面、精神面ともにチームを引っ張った。

 Aシードの常総学院、明秀学園日立、霞ケ浦を倒しての優勝。小菅勲監督(51)も「昨年は甲子園に出ただけだった。今回は戦いに行って勝利したい」と自信をつけて聖地に乗り込む。【戸田月菜】