小樽地区の代表決定戦で、今夏の甲子園に出場した北照が小樽潮陵を4-0で下し、2年連続39度目の全道大会出場を決めた。5回1死三塁で、9番伊藤陸主将(2年)が先制の中前適時打。今大会9打席目での初安打が決勝打となり「何とか打撃で1つ結果を出せて良かった」と安堵(あんど)した。

4番岡崎翔太、エース原田桂吾、精神的支柱の三浦響主将(すべて3年)と、柱がいた前チームとは違う。新チームは全員で戦いながら強くなる。初戦の岩内戦は3番斎藤優斗(1年)が決勝弾、14日双葉戦は4番国方海成(2年)が延長11回に決勝打。この日、2試合無安打だった主将が試合を決めた。日替わりでヒーローが生まれる状況に上林弘樹監督(39)は「少しずつ、まとまりやつながりができてきたかな」と手応えを口にした。

6日の北海道胆振東部地震発生後、小樽市内の選手寮は8日午後10時ごろまで停電した。6日は備蓄していた非常食などを食べ、7日夜は上林監督が炭火をおこし、冷蔵庫に残っていた肉などを焼き、空腹をしのいだ。明るい間しか練習できず、夜間は選手間で話し合う時間にした。「技術は先輩たちに劣るが、声とか全力疾走とか、できることから徹底しようと話し合った」と伊藤。腹を割り意見を出し合うことで絆が芽生えてきた。

道内で最も始動が遅く、8月12日の最初の練習試合は旭川大高に5-13と大敗した。「バラバラだったチームが成長できた。全道までにさらに練習して、センバツに行きたい」と伊藤。新生北照が14、15年東海大四以来の夏春連続甲子園を狙う。【永野高輔】