5年ぶりのセンバツ出場を目指す山梨学院(山梨2位)が中央学院(千葉1位)に快勝した。今秋県大会無安打の伏兵・小吹悠人内野手(1年)が6回にソロ本塁打を放ちチームに勢いをつけ、12安打で7得点した。

小吹が、チームに流れを呼び込む1発を放った。2点リードの6回2死、高々と上がった打球は左翼席へ。「初めて打ったので、こんな感じなんだと思いました。うれしかったです」と練習試合も含めて初の本塁打を、笑顔で振り返った。

身長180センチ、体重81キロと大型遊撃手は、打撃より守備の要として期待されていた。吉田洸二監督(49)も「長いこと監督をしていて、いろんなホームランを見てきたが、確率からいったらほとんどない。だけど、大きなホームランでしたね」と値千金と喜んだ。

中学からともにプレーする栗田勇雅捕手(1年)の活躍が刺激になっている。「一緒に甲子園へ行こう」と入学した友は今夏、1年生ながら3番捕手で甲子園に出場。小吹は山梨大会では背番号18を手にしたが、甲子園ではベンチを外れた。「栗田が先に活躍したのが悔しかった。自分もこれから負けないようにやりたい」。次戦に勝利し4強進出すれば、センバツ出場が見えてくる。地元山梨の空にかけたアーチは、伏兵が主役に躍り出る序章にすぎない。【久永壮真】