星稜(北信越・石川)は札幌大谷(北海道)に接戦の末逆転負けし、OBの元ヤンキース松井秀喜氏を擁した91年以来27年ぶりの優勝はならなかった。

初戦、準決勝と2試合連続で完投した来秋ドラフト候補の奥川恭伸投手(2年)は「5番右翼」で先発。2-1と逆転されなおもピンチの7回2死一、三塁でマウンドに上がった。2ボール2ストライクから、最後は145キロの直球で空振り三振。「流れを持ってくるためにも三振で取りたかったんですけど、それでも腕を振れていい球がいって良かったです」と8回も連続三振、内野ゴロで3者凡退。146キロ、148キロと力強い直球が続くと、神宮球場の観客はどよめいた。

打線はわずか1安打と沈黙し反撃ならず、準優勝という結果になった。3打数無安打に終わった奥川は「今日はバッティングで活躍したかったんですけど、それもイマイチ」。試合後は「悔しいです」と声を振り絞った。

「来年のセンバツで1位をとれるように頑張ります」。目標の神宮優勝はならなかったが、次はセンバツで日本一を狙うチャンスがある。今大会は初戦で試したフォークや、空振りを取れる真っ直ぐにも手応えを感じた。「結局優勝したチームのピッチャーが一番すごい。勝てる投手になって結果としてもしっかり1位になりたいと思います」。日本一のチーム、日本一の投手を目指す。