酒田南(山形)のエース左腕、阿部雄大投手(3年)が8日、社会人野球強豪のJX-ENEOS(神奈川)に内定していたことが分かった。

在学中の甲子園出場はかなわなかったが、秘めているポテンシャルは高い。1年夏から登板経験を積み、同秋からエースを任された。182センチ、88キロの体格から投げ込む最速142キロの直球に力があり、高い奪三振率を誇る。自在に操るキレのあるスライダー、チェンジアップも魅力だ。

昨夏の山形大会では、鶴岡高専との初戦で無安打無得点試合(5回参考記録)をマークし、打者17人から11個の三振を奪った。準決勝で優勝した羽黒に延長戦でサヨナラ本塁打を浴びて終戦したが、強烈なインパクトは残した。高卒でのプロ入りの夢を封印してプロ志望届は提出せず、3年後のプロ入りに目標を切り替えた。JX-ENEOSは前身の日本石油時代からの超名門。都市対抗は全国最多の49度も出場し、最多11度の優勝を誇る。だが16年以降は3年連続で本大会出場を逃しており、巻き返しに期待がかかる。

JX-ENEOS野球部入部予定の新卒内定者のほとんどが有名大卒選手が占める中、高卒新人左腕の阿部は即戦力の評価だ。念願の都市対抗出場をステップに、目標とする3年後のプロ入りを実現する。