活動を休止しているPL学園(大阪)硬式野球部のOB会総会が12日、大阪市内のホテルで行われ、新OB会長就任が決まっている元巨人の桑田真澄氏(50)が出席した。桑田氏の恩師で、監督として歴代2位の甲子園通算58勝を挙げている中村順司元監督(72)や楽天平石洋介監督(38)ら99人のOBが集った。

桑田氏は「難しいときにお受けすることになって、引き締まる思い。重大な責任を負ったという思いがある。PL学園にお世話になったので、野球部に対しても学園に対してもできることを最大限、貢献させていただきたい。休部に至った原因は我々OBにもある」と語った。基本方針として「野球部が再開できるのか、方向性をはっきりさせないといけない」とした。

今後は、これまでのOB会では実現できていない野球部と運営母体のPL教団との直接対話を目指していく。桑田新会長は「ひざを突き合わせてお話ししたい。我々は対立しているわけじゃない」と前向きに話した。同氏を後任に指名した前OB会長の鶴岡秀樹氏は「桑田さんは教団との距離が近い。教団は非常に厳しい方向で考えていると思うが、桑田さんが会長になったことでどう動くか」と、いちるの望みを託している。

PL学園野球部は歴代3位の甲子園通算96勝を挙げた名門だが、部内不祥事に端を発した新入部員の募集停止などで、16年夏の大阪大会を最後に活動休止。17年3月に府高野連に脱退届を提出した。

OB会は毎年、総会を開いているほか、学校側に嘆願書を出すなど野球部復活を目指して活動を続けている。昨夏、名だたるOBの中でもトップクラスの知名度がある桑田氏が後任に指名され、幹事会での承認をへて、10月に正式就任が決まっていた。この日は会長交代が報告された。

主な出席者=中村順司元監督、ソフトバンク松山秀明コーチ、ソフトバンク入来祐作コーチ、DeNA坪井智哉コーチ、ロッテ今岡真訪2軍監督、楽天平石洋介監督