平成最後のセンバツとなる第91回選抜高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)の選考委員会が25日に行われ、同日午後に出場32校が発表される。注目される「関東・東京」の6枠目は東海大菅生(東京)が軸ながら、横浜(神奈川)佐野日大(栃木)なども絡んで、例年以上に混戦の様相だ。それぞれに有利、不利なデータがあり、議論は白熱しそうだ。

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6枠目に最も近いのは、東海大菅生だ。昨秋都大会決勝で国士舘に1点差惜敗も、二松学舎大付、早実などを倒して決勝に進んだ。推す声は多いものの「菅生で確定」の空気には至らず、発表日直前も関東一円で情報が飛び交う。なぜ? 理由をデータに求めた。

<1>「この5年、東京勢はのべ8校がセンバツに出場し計3勝。一方で関東勢はのべ23校出場で27勝」

秋季大会は、東京だけが関東大会とは別に単独で行われる。「関東」「東京」の2地区から計6校を選ぶだけに、両大会の比較は1つのポイント。<1>で考えれば近年は「関東優勢」だ。

関東8強の中では横浜の選手層が厚く「6枠目は横浜では?」の声が一定数ある。最速153キロ左腕の及川を軸に、投打とも強力。関東Vの桐蔭学園には県大会で11-2で圧勝した。こんなデータもある。

<2>「横浜は直近10年で2度、6校目で選出された」

一方で、関東準々決勝は及川が制球を乱し、春日部共栄に2-9で7回コールド負けした。

<3>「関東4校が確約された83年以降、準々決勝コールド敗退校は未出場」

佐野日大も候補だ。横浜と同様、準々決勝は7点差負けだった。ただ、佐野日大は失点を重ねながら9イニングを戦った。ここがどう左右するか。佐野日大には追い風もある。

<4>「北関東3県(茨城、栃木、群馬)からは33年連続で最低1校は出場」

<5>「08年の宇都宮南(栃木)は関東0勝で選出」

ただ、今回は21世紀枠候補の石岡一(茨城)も絡む。一般選考枠と21世紀枠は別物ながら、石岡一が選ばれれば「北関東から1校」にはなる。関東大会0勝ながら桐蔭学園にサヨナラ負けした強豪・常総学院(茨城)も軽視できない。

秋の地区大会は「センバツ予選」ではなく、「上位進出=100%出場」ではない。選考委員たちが冷静に各校を見極める。平成最後も「関東・東京」の6枠目が注目の的だ。

◆5校は有力か 関東大会4強入りの桐蔭学園(神奈川)春日部共栄(埼玉)習志野(千葉)山梨学院(山梨)、東京大会優勝の国士舘は出場有力だ。春日部共栄は20日に監督の体罰が明らかになったが、日本高野連の竹中事務局長は「監督の不祥事であり、チームに関し、うんぬんはありません」と話しており、選考に影響はないとみられる。