第91回選抜高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)の選考委員会が25日に大阪市内で開かれ、東邦(愛知)が選出された。

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2年連続30度目の春の知らせ。名門・東邦にとってこの季節に名古屋市内の学校で受け取る吉報は恒例行事だが、今回ばかりは特別だ。平成元年覇者として、平成最後の選抜には格別な思いがある。

チームの中心は二刀流の石川昂弥(たかや)主将(2年)。1年秋から4番に座り、昨年秋はエース番号「1」を背負い東海大会を制した。投手として本格的に取り組み始めたのは昨秋の新チームからだが、選抜もエース格として挑むことになる。

もっとも三塁手としてプロの評価は高く、中学時代にNOMOジャパンの一員として米国遠征にも参加した逸材は「打撃の方をアピールしたい」と打撃にウエートを置く。「目標とする打者は広角に本塁打が打てる大谷さん。できることをしっかりやって、最終的に優勝するのが一番」と言い切った。父尋貴さんも89年優勝時、同校野球部の一員だった。父に続く優勝へ。高校通算37本塁打、投げては最速144キロ右腕の目標は高い。

森田泰弘監督(59)は「課題は投手ですが、石川を含めて3人で1試合と考えている。コンディションを整えてぜひとも平成最後を優勝で飾りたい」。昨春は花巻東(岩手)に初戦敗退。狙うは1989年以来、30年ぶりとなる単独最多5度目の優勝だけだ。

◆石川昂弥(いしかわ・たかや)2001年6月22日生まれ。愛知県半田市出身。亀崎中時代は愛知知多ボーイズで遊撃手。東邦入学後は1年春からベンチ入り、同年秋から三塁手のレギュラー。高校通算37本塁打。185センチ、81キロ。右投げ右打ち。