【第3試合(14:00)富岡西(徳島)-東邦(愛知)】

21世紀枠で春夏通じて初出場となった県立の富岡西は「野球のまち」の後押しを受け、初勝利を目指す。

同校のある阿南市は、野球での町おこしに着手するべく、10年に日本で初めて「野球のまち推進課」を設置。少年・還暦野球大会などで町おこしを行ってきた。11年からはセンバツに出場する北信越地区高校の直前合宿受け入れを開始。地元高校と練習試合が組まれ、地域の強化にもつながっている。文武両道で21世紀枠ながら、昨秋は「ノーサイン野球」で四国大会ベスト4と、堂々の成績を残した。

投打の中心はエース右腕の浮橋幸太投手(3年)。1年時からマウンドに上がり、昨秋は徳島大会と四国大会の全7試合を1人で投げ抜いた。昨秋は遊撃手だった栗田翔瑛捕手(3年)がコンバートされ、新バッテリーとなったが、2人は中学時代にバッテリーを組んでいた仲。心配はない。浮橋は打線でも4番に座り、チームトップの14打点。3番で主将の坂本賢哉外野手(3年)は、7試合24打数16安打。今大会主力出場選手で最高打率の6割6分7厘を記録した。

◆富岡西の主なOB 故後藤田正晴元内閣官房長官、俳優犬飼貴丈

東邦は平成最初と最後のセンバツ制覇に挑戦する。投打の柱は石川昂弥投手(3年)だ。

投げては最速144キロ。制球力、変化球もよく投球センスが光る。前チームから投げている左腕の植田結喜(3年)ら140キロ台を投げる投手が複数いる。

打っては3番の石川は今春で早くも通算40本塁打をクリア。昨秋の公式戦は7本塁打と絶対的な得点源だ。4番熊田任洋内野手(3年)もパワーを兼ね備えた巧打で、得点に絡む。2人とも主軸だった昨春の甲子園では振るわず花巻東(岩手)に初戦負けした悔しさを秘める。昨秋のチーム14本塁打、同打率3割8分6厘、1試合平均9・47得点は、いずれも出場32校中で最高成績。

春は30度目出場の全国屈指の名門。平成元年の89年大会はエース山田喜久夫(元中日)を擁して元木大介がいる上宮(大阪)に劇的なサヨナラ勝ち。石川の父も当時の野球部員だった縁がある。

◆東邦の主なOB 元巨人山倉和博、中日藤嶋健人、俳優奥田瑛二