センバツに注目のスラッガーが誕生した。山梨学院(山梨)の野村健太外野手(3年)は1回戦の札幌第一(北海道)戦で、1試合2発の大会記録に並ぶ離れ業をやってのけた。それも、1本目は左中間最深部へ、2本目はバックスクリーンへのいずれも特大アーチ。吉田洸二監督(49)から「山梨学院のデスパイネ」と命名され、大切に育てられてきた右の長距離砲が、その片りんを存分に見せつけ、チームを記録的大勝に導いた。

野村は長距離打者特有の雰囲気をまとって打席に立った。打者一巡し7点リードで迎えた1回の2打席目。2死一、二塁。2番手投手野島に対し1ストライクからの2球目が、甘くベルト付近へ。調整十分の野村は見逃さない。左中間へ鮮やかな放物線を描く3ラン。これで一挙10得点。センバツ史上2度目となる初回2ケタ得点とした。

<山梨学院の主な記録>

▼チーム1試合最多安打24の大会タイ 00年の智弁和歌山(対丸亀)以来2チーム目。

▼チーム1試合24得点 37年滝川中27-0浦和中に次ぎ大会史上2位。滝川中は表の攻撃で、裏の24得点は最多。

▼1イニング10得点以上 大会史上4度目。初回では71年東邦(対報徳学園=11得点)以来48年ぶり。

▼先発全員安打・全員打点 ともにマークしたのは14年の龍谷大平安(対大島)以来。

▼毎回安打 昨年3回戦の智弁和歌山(対国学院栃木)以来。

▼個人1試合最多本塁打2の大会タイ 野村が記録。17年藤原恭大(大阪桐蔭)以来。

▼初回2打席目に1発 野村が初回2度目の打席で本塁打。春夏を通じ14年古谷勇斗(藤代=対大垣日大)16年松尾大河(秀岳館=対南陽工)に次いで史上3人目。