全戦術を駆使して近畿王者に一泡吹かせる。第91回選抜高校野球大会(甲子園)で1回戦を突破した盛岡大付(岩手)は今日29日、2年ぶりの8強進出を懸けて龍谷大平安(京都)と対戦。春夏通算102勝の平安に対して、同10勝の盛岡大付はどう挑むのか? 名門打倒の糸口として、関口清治監督(41)は勝負手の一端を明かした。

(1)左腕対策 平安は3年生左腕の2枚看板。津田学園(三重)との1回戦で延長11回を4安打完封した野沢秀伍だけではなく、昨秋は背番号1だった豊田祐輔も同等の力を持つ。1回戦で9回に同点2点打を放った小川健成外野手(3年)は「(野沢は)変化球が多く、(豊田は)緩いカーブと直球を使い分ける」と警戒する。関口監督は打順変更を示唆し、「左打者がチャンスをつくって、そのチャンスが右打者3人に回るように」。4番小野寺颯斗内野手を挟む形で3番岡田光輝外野手(ともに3年)、5番小川と初めて中軸に右打者2人を置き、突破口にする。

(2)機動力 伝統の打撃力に、現チームには「足」が加わる。昨秋公式戦の盗塁数は30個で、出場32校の中では東邦(愛知)に次ぐ2位。関口監督も「島上(真綾捕手=3年)以外は走れる。エンドランなども駆使しないと点数は入らないだろうし、積極的に次の塁を狙い、プレッシャーをかけたい」と話した。

28日は兵庫・西宮市内で午前11時から約2時間、守備と打撃で汗を流した。午後はステーキもあった豪華ランチバイキングに舌鼓を打ち、エネルギー補給後は温泉設備のある施設で疲れを取った。東北勢では平成最後のとりで。関口監督は「相手はキャリア十分。それに屈しない心の強さを発揮したい」と「巨象」に立ち向かう。【中島正好】