国士舘がクレバーな走塁を見せ、佐野日大の好投手、左腕松本翔太投手(3年)から得点を重ねて7回コールド勝ちを収めた。

試合を決定づけた場面は2点リードの6回1死二、三塁。打者冨田洋佑外野手(3年)のカウント1ボールでの一塁側へのスクイズ。ここで二走渡辺伸太郎外野手(3年)は、判断良く一気に生還し2ランスクイズを決めた。渡辺は「試合前に監督さんに相手のシートノックで内野手の動きをよく見ておけと言われてました。一塁手の動きは頭に入っていました」と、しっかり観察していたことを明かした。

さらに、スクイズの場面でも冷静な判断が光った。渡辺は「一塁手が打球に集中していたのが顔の向きで分かりました。その後の打球処理の時も、目が走者を追っていなかったので、行けると思って三塁を回りました」と、具体的な状況判断を振り返った。これで佐野日大の松本は非常に苦しくなった。佐野日大は7回から継投に入ったが、国士舘はダメ押しとなる4点を奪い試合を決めた。

試合後の永田昌宏監督(61)はほっとした表情。「2ランスクイズの場面は、走者にホームを狙えるかどうか判断するようにと言ってありました。もっと、楽にホームに戻ってもいい感じでしたね」。また、7回を6安打無失点に抑えた先発山田裕也投手(3年)の好投に触れ「ストレートを見せ球に、変化球がよく決まっていた。彼がここまで投げたのはチームとしても大きい」と、評価した。