3度目の「智弁対決」は、智弁学園(奈良)に軍配が上がった。

兄弟校対決を一目見ようと、早朝から多くのファンが球場に詰めかけた。試合前からスタンドの観客は「本当に、どっちがどっちか分からんな」「どっちが智弁?」「どっちも智弁や!」などと、ざわつきであふれていた。

3回表、智弁和歌山が2死三塁から、3番西川晋太郎内野手(3年)の右中間適時打で先制。同点で迎えた4回表にも1番黒川史陽内野手(3年)の右中間適時打などで3点を追加した。

序盤は智弁和歌山のペースだったが、中盤から智弁学園が反撃開始。4点を追う6回裏、智弁学園は2連続四球などで無死満塁とし、4番吉村誠人内野手(3年)が直球を捉え右中間に満塁弾を放ち、一挙同点。7回裏にも、3点を追加し試合をひっくり返した。「和歌山と比べられることが多かった。智弁といったら和歌山と言われることが多かった。智弁と言ったら智弁学園と言われたい」と吉村。

智弁対決を制した智弁学園・小坂将商監督(41)は「(対決は)だいぶ意識しました。自分も和歌山出身なので、智弁和歌山とやることをうれしく思っていた。倒したいという気持ちもあった」と喜びをかみしめた。

◆これまでの智弁対決 兄弟校の両校は公式戦での対決は過去2度ある。1回目の対決は、95年秋の近畿大会準々決勝。智弁和歌山が智弁学園に5-0で勝利した。2回目は02年夏の甲子園3回戦。甲子園では史上初めて対戦が実現。当時は智弁和歌山を高嶋仁監督が、智弁学園を林守監督が率いた。林監督は01年春まで17年間、智弁和歌山の部長を務めており「師弟対決」となった。試合は智弁和歌山が7-3で勝った。