岩手の3位決定戦では、盛岡大付が8-1の7回コールドで専大北上に勝ち、2年ぶり14度目の東北大会切符をつかんだ。先頭打者弾で1点を先制されたが、2回表に小川健成外野手(3年)の左翼フェンス直撃適時二塁打を契機に逆転。2安打1打点の小川は「優勝して東北大会に行きたかったが、しっかり打って勝てたことはプラスに考えたい。気が緩んでいた部分もあったので、引き締めることが出来た3位です」。今春センバツ後のチームの慢心さを払拭(ふっしょく)した。

前日は盛岡四の投手陣に、わずか6安打に封じられた。試合後は宿舎に直行。関口清治監督(42)からも「簡単に言えば、調子に乗っている」と精神面へのカミナリが落ちた。昨年は春夏甲子園を逃し、目標に掲げた全国舞台の達成感と、練習試合を含めて八戸学院光星(青森)戦での1敗しかしていない状況が“天狗”に変わった。自覚症状もあり、小川も「全力疾走とかから見つめ直していた。夏の甲子園という先を見てしまっていた反省もある」。“鼻”を折られ、東北大会に気を引き締め直した。

今大会は1年生の松本龍哉内野手が先発メンバー入りし、3年生が入れ替わりで先発を外れる危機感も味わった。指揮官も「松本はよくやってくれた。あとは3年生」。準決勝で外れた平賀佑東外野手(3年)が3安打を放つなど意地も披露。夏までに強さを増す、大きな1勝となった。【鎌田直秀】