第101回全国高校野球選手権大会(8月6日開幕、甲子園)の地方大会が22日、南北海道函館地区で開幕した。函館稜北が函館高専を4-2で下し、「令和夏1勝」全国一番乗り。エース宮地諒(3年)が9回147球5安打2失点、15三振を奪う力投をみせた。

   ◇   ◇   ◇

函館稜北のエース宮地が、落ち着いた投球で3季ぶりの初戦突破に貢献した。雨で2度の中断があっても「体を冷やさないように」と室内のブルペンで投球練習しながら体を温めた。投球時は右臀部(でんぶ)のポケットに愛用の紺ハンカチを忍ばせ、指先の水分を取りながら投げ抜いた。「雨のときはいつもこれ。ロジンバッグより、こっちの方が僕には合っている」と笑顔で振り返った。

この日は3年前のエースだった兄健介さん(札幌学院大3年)が札幌から戻りスタンド観戦。試合前に「天気が悪いから中断もあるしエラーもある。そういうときこそ気を引き締めるように」と助言された。走者を許しても140キロ前半の直球を軸に「反応を見て変化球をまぜた」。頭を働かせ、15三振のうち14個を空振りで奪った。

打っては4打数2安打、2盗塁も記録した。選手はわずか10人。新チームになった昨秋から公式戦はすべて自身が投げており「今、自分がケガしたらまずいので、練習試合では単独スチールはしなかった。今日はどうしても勝ちたくて走った」。投げて打って走って、全国一番乗りの令和夏1勝をもぎ取った。【永野高輔】