宮古が夏初戦で、新チーム初の公式戦初勝利を挙げた。

同点で迎えた4回に、砂川大知外野手(3年)がランニング満塁弾を放つなど、一挙に5点を挙げ勝負を決めた。公式戦でスタンドインの本塁打ゼロの砂川は「ベースランニングは得意で、三塁コーチャーが回していたので信じて思い切って本塁へ走りました」と言葉を弾ませた。

本来は6月22日の開幕日が初戦の予定だったが雨のため2日連続で順延。いったん宮古島へ帰って、再び沖縄入りしてこの日も迎えたが「善意の寄付」により、チームが一丸となっていた。豊原啓人監督(35)は「順延をネットニュースで見た福島県の方から寄付をいただきました。手紙が添えられていて、交通費が大変でしょうから何かに使ってくださいとの内容でした。本当に感謝しましたし、選手にも説明しました。1勝できて良かった」と学校に10万円入りの現金書留が送られていたことを明かした。実は宮古だけでなく「宮古島の3校(宮古、宮古工、宮古総合実)八重山の3校(八重山、八重山農林、八重山商工)、久米島の1校、計7校にも同様に寄付されていたとのことでした」(豊原監督)。この日登場した7校で勝利したのは宮古と八重山だけだったが、7校のナインは、感謝の気持ちをこめてグラウンドで戦った。

ランニング満塁本塁打を放った砂川も「話を聞いたときは離島のために遠く福島の方が、と思い涙が出そうなくらいでした。その人のためにも勝ちたかった。この勝利で届けばいいと思います」と大きく目を輝かせていた。【浦田由紀夫】