4連覇を目指す山梨学院が、巨摩相手に5回コールドで3回戦に進出した。試合後の吉田洸二監督(50)は神妙な顔で取材対応。「実は野村も左肩を痛めてまして、相沢もケガをしてます。これで何とか次に進むことができましたので、それまでしっかり調整したい」と、苦しいチーム事情を口にした。

本来ならエースの左腕相沢利俊投手(3年)が先発するところを、右腕佐藤裕士投手(3年)が先発し、巨摩打線に付け入るすきを与えない1安打の盤石のピッチングで試合を作った。打っては注目のスラッガー野村健太外野手(3年)が、先制の2点タイムリーを放ち、主導権を握った。

初回、失策と四球、盗塁で2死二、三塁とし、野村はフルカウントから巨摩の先発、小沢一誠投手(3年)の外角への111キロの変化球を左前にパワフルに運び2者をかえした。試合後の野村は、6月27日の練習試合で左肩に死球を受けていることを明かし、その上で「それはバッティングには影響はしてません。今日は先制タイムリーは打てて良かったと思います。チェンジアップをうまく拾えたと思います。公式戦は先制することがとても大事なので、そういう場面で確実に打てました。ただ、その後の打席内容は、今後に向けて修正していきます」と、冷静にバッティングを振り返った。この日は3打数1安打1三振2打点の内容だった。

野村は高校通算53本塁打をマークしている右の長距離砲。180センチ、90キロの堂々の体格から、山梨学院の「デスパイネ」と呼ばれ、プロからも注目を集めている。センバツ大会では初戦の札幌第一戦で2本塁打を放ち、インパクトを与えた。