大曲農(秋田)が大曲農高太田分校との「兄弟校対決」で5回コールド勝利。中日などで活躍した種田仁氏(47)をほうふつとさせる「ガニマタ打法」の三浦純矢外野手(3年)が、ランニング満塁弾含む5打点で本家「ダイノウ」をけん引した。

4回2死満塁、三浦が中越えに打球を運ぶと、走者3人が生還した。自身も50メートル6・2秒の俊足でホームイン。昨秋の練習試合で高校1号となるランニング弾を放っており、通算3本目で公式戦初本塁打もランニング弾。「打球が抜けた瞬間にホームを狙おうと思った。うれしいが満足せず気を引き締めたい」。種田氏ではなく西武西川愛也内野手(20)を参考に次戦以降も爆発を誓った。

この試合は分校の部員が足りず、大曲農の1年生4人が助っ人として出場。三浦は「やりづらかったが、一生懸命やった」。大曲農の佐藤農監督(37)にとって、分校の高橋恵二監督(62)は高校の恩師だ。佐藤監督は「公式戦で戦うのは最後かもしれない。感慨深い」。仲間の思いを背負い、「カナノウ旋風」の再現を目指す。【山田愛斗】