前日、8回途中降雨コールドで0-0引き分け再試合となった一戦は、桜塚が11-2の7回コールドで槻の木を下した。

2回戦の汎愛(はんあい)戦の最終回に5点差大逆転勝利に続き、桜塚に再びミラクルが起きた。

前日、両者無得点で迎えた8回表、エース大同諒(3年)が槻の木4番加登翔人(かとう・しょうと=3年)に決勝点ともなりうる3点弾を浴びていた。しかし、その直後に雨が強まり、8回表途中、降雨による試合終了。8回の得点は認められず再試合となっていた。

この日は序盤から桜塚が得点を重ね、主導権を渡さずに勝利。桜塚の宮脇稔智監督(59)は「昨日は負けたまま終わったので、捨て身の状態で向かっていった」と試合を振り返った。先制打を含む3安打3打点と大暴れだった主将乾圭吾(3年)は「このような展開になるとは思っていなかった。昨日は、チームとして積極的に打ちにいけなかったので、追い込まれる前に打ちにいった結果、このような勝ち方ができてよかった」とほっとした表情を浮かべた。7回2失点と好投したエース右腕の大同は「右打者のインコースをしっかり攻められた。2回戦もあのような(最終回逆転勝ち)勝利だったし、野球の神様は本当にいるんだと思った」と笑顔だった。

エース大同は夏にかけていた。春の県大会3回戦で「甘く入った球をことごとく打たれた。強豪校は甘くないと思った」と近大付に敗戦。以降、毎朝起きると制球を磨くために15分ほどの体幹トレーニングを1日も欠かさず続けた。さらに「運をつかめるように」と学校内や周囲に落ちていたゴミを拾っては捨てた。「強豪私学に勝ったことがないので、今大会は勝ちたい」と語った大同。ミラクル桜塚のエースは燃えている。【松本直也】