常総学院(茨城)に最速150キロの怪物2年生が現れた。菊地竜雅投手は、東洋大牛久戦に先発し、8回を無四球4安打無失点6奪三振の好投を見せた。

「ストレートの制球が良かった。(スピードは)あれ?出たの?という感じ」と、笑顔で振り返った。

武器は分かっていても空振りしてしまう火の玉ストレートだ。春に計測した際には、初速143キロ、終速141キロと、ほとんどスピードが落ちないスピンの効いた球だった。「阪神藤川球児の直球は理想」と話し、動画で下半身の使い方などを参考にしている。

チーム内では愛されキャラだが、球質の重さは“石のよう”と比喩される。冬場の練習では、「(キャッチボールすると痛いため)俺が受けるの?という雰囲気になる」とチームメートは口をそろえる。

スピードを追い求めた時期もあった。「昨年は、(創志学園・西など)2年で150キロ投げる人を意識し過ぎて手投げになっていた」と話す。佐々木力監督(53)の「下半身を意識して場面に応じたピッチングをしなさい」というアドバイスで開眼。制球の安定とスピードアップ(冬から10キロ)の両方を手に入れた。

今年は常総学院史上3本の指に入るという黄金世代。プロ注目の菊田、斉藤に加えて走塁・守備にもスペシャリストがそろう。「準備を整えて戦うだけ」。全国制覇に向けて、えんじ色の進撃が始まった。【倉田祥太】