桜美林が優勝候補を撃破した。先発の183センチ右腕斎藤敦也投手(3年)は9回4失点。11安打2本塁打を浴びたが、「気持ちで行こう」と粘り強い投球を見せた。

同じ過ちは繰り返さなかった。9回1死二、三塁のピンチ。

春の大会4回戦の帝京戦がよみがえった。8回まで2失点に抑えながら、2点リードの9回に3失点し、サヨナラ負けを喫した。失策絡みの失点ではあったが「粘りきれなかった」と悔やんだ。

2点リードの9回。全く同じ場面にも動じなかった。ナインは「まだ試合は終わっていない。最後まで戦い抜こう」と声をかけあった。斎藤は「向かっていこう」と強気の姿勢で攻め、遊ゴロ併殺打に打ち取り、試合を締めた。

今大会は初戦の3回戦から全試合で完投を続ける。「疲れはあったが、気合で(乗り切った)。試合中は感じなかった」と意に介さなかった。

準決勝は創価と対戦する。同校が甲子園に進出した2002年以来の舞台となるが「ここがゴールじゃない。次も勝って、勝ち進みたい」と意欲を見せた。【飯岡大暉】