ノーシードの相模原が、第1シードで夏4連覇を目指す横浜を大逆転で下し、初の準決勝進出を果たした。5点ビハインドから7回に打者一巡の猛攻で同点。8回に1点を勝ち越されるも、その裏、4番中野夏生内野手(3年)が、最速153キロ左腕の及川雅貴投手(3年)のスライダーを捉えて逆転の2点二塁打。8強に唯一残った公立校が、絶対王者から金星を挙げた。

「ケンソー」打線が、高校NO・1左腕を擁する横浜を打ち崩した。決勝打の中野は「最高にうれしいです。スライダーを迷わずスイングしました。泳がされたけどヒットコースに飛んでくれた」と振り返った。

打撃に自信があった。速球対策として150キロに設定したマシンを16メートルの距離から打ち込んだ。冬は重めの約1300グラム、通常の980グラム、軽めの700グラムの3種類のバットでティー打撃を繰り返し、スイングスピードとパワーを養成した。

メンタルトレーニングも導入し「自分を客観視すること」「無になること」を意識。大観衆の中、プレッシャーのかかる場面でも落ち着いてプレーできるようになった。指導がことごとくはまった佐相真澄監督(60)も「四天王(横浜、東海大相模、桐光学園、慶応)が目標と言ってきたけど、勝っちゃいましたね。60年生きてきてよかった」と笑顔だった。

初の準決勝は、昨夏北神奈川準々決勝で敗れた東海大相模が相手だ。集中打の「ケンソー」が、再び大物食いに挑む。【鈴木正章】