昨夏甲子園8強の近江が、2年連続14度目の出場を決めた。光泉との接戦を制した。

5回までは近江・林優樹(3年)、光泉・吉田力聖(りき=3年)と両エースが互いに1歩も引かない力投を見せた。近江は3回1死一、二塁から住谷涌也外野手(3年)の右前打で二塁走者がホームを狙うも、右翼手からの好返球でアウト。一方の光泉も、4回1死二、三塁でスクイズを仕掛けたが、打者の空振りで三塁走者はアウトに。互いに得点できないまま、前半を終えた。

だが近江は8回2死二塁で、住谷が相手遊撃手を強襲する安打。二塁走者が決勝のホームを踏み、甲子園凱旋(がいせん)を決めた。林は9回2死一、三塁のピンチも切り抜け、光泉を5安打完封した。

昨夏の甲子園大会準々決勝では、1-0で迎えた9回無死満塁から金足農(秋田)の2ランスクイズの前に涙をのんだ。この日は相手のスクイズを封じてみせた。

多賀章仁監督は「(サヨナラ負けした)昨年の金足農戦のことがずっと頭にあって、なんとしても後攻を取るようにと(主将の)有馬に伝えていました」と明かす。有馬諒主将(3年)は「(甲子園春夏連覇の)大阪桐蔭ではないですけど、ぼくらも滋賀では負けられないプレッシャーがありました」と勝って号泣。この日はうれし涙にくれた。

◆近江 1938年(昭13)に創立された私立校。生徒数767人(女子310人)。野球部は57年創部。部員数107人。甲子園出場は春5度、夏は14度目。主なOBは阪神植田海、DeNA京山将弥ら。所在地は滋賀県彦根市松原町大黒前3511の1。岩谷斉校長。