2年ぶり全国制覇を狙う花咲徳栄(埼玉)は「1」にこだわる。5日、開会式リハーサルで甲子園を訪れた岩井隆監督(49)は「令和元年の初戦。“1の原理”でいこうと。初安打、初出塁、初打点…1を誰が最初にやるか」と、強敵・明石商(兵庫)との初戦にテーマを設定した。

強力投手陣攻略へ、先制パンチの重要性はナインも感じている。1番池田悠真外野手(3年)は昨秋以降、出場対外試合117試合で、初回出塁率が6割1分5厘。「打てる気はする。何が何でも出塁を」と初安打に自信を持つ。池田が出れば2番橋本吏功外野手、3番韮沢雄也内野手(ともに3年)ら好打者が初打点を狙う。甲子園出場3度目の韮沢は「何より自分のゾーンに入ることが大事」と仲間に初打席対策を説く。

岩井監督は、01年夏の甲子園初出場時もナインに「1の原理」を伝え、楽しむように競わせた。当時は宇部商(山口)との初戦、1回に敵失と安打から2点を先制し、12対0で大勝するなど良き前例もある。17年には全国優勝し、今回は5年連続出場といまや甲子園常連校。49代表校で1位の打率4割3分2厘の打線を擁し「全てを出し切り、頂点を目指したい」と願いながら、あえて初心に戻る。【金子真仁】