全国高校野球選手権の開会式が6日、甲子園球場で行われた。県代表・日本文理(2年ぶり10度目出場)は18番目に入場し、堂々の行進を披露した。

開会式後は開幕戦の八戸学院光星(青森)-誉(愛知)戦を観戦。10日の関東第一(東東京)との1回戦に向けて士気を高めた。

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日本文理ナインは淡々と力強く甲子園のグラウンドを踏み締めた。山梨学院に続いて18番目に登場。校名がアナウンスされると2万人の観衆から大きな拍手が湧き起きた。

新潟大会優勝旗を手に先頭を歩いた長坂陽主将(3年)は「校名を呼ばれたときはうれしかった」と感動した。日本文理が準優勝した2009年(平21)、スタンドで観戦していた。実際にグラウンドに立つ今、「この中で野球ができることを素直に喜びたい」と話した。

南隼人投手(3年)が「緊張しなかった」と言うように、全員がリラックスしていた。特別に行進の練習をしたわけではない。「堂々と歩こう」(長坂主将)と式前に気持ちを合わせた。中田龍希一塁手(2年)の号令に合わせ、一糸乱れず歩を進める。「敵、味方なく、みんなが応援してくれている」。長坂主将は開会式の雰囲気が持つ包容力を感じた。

開会式後は八戸学院光星-誉の開幕カードを観戦した。甲子園の実戦の空気を感じることと、目的は自分たちの試合に生きる部分を見つけること。太陽や風の向き、入りが難しいと言われる第1試合の両校の動き。見て感じたことを関東第一戦に向けた練習に生かすつもりだ。

準備は順調だ。この日、宿舎を午前5時30分に出発。3日の組み合わせ決定後、1回戦の開始時間午前8時に合わせて生活している。「思い通りに仕上がってきた」と話した長坂主将は「初戦を勝たなければ次はない。目標の全国制覇に向けて一生懸命頑張る」と決意を言葉にした。【斎藤慎一郎】