日本文理(新潟)は関東第一(東東京)に6-10で敗れた。前回出場の17年に続く初戦突破はならなかった。同校の夏甲子園通算10勝目も逃した。

3番三塁でスタメンの長谷川優也(2年)は泣いていた。ただ、視線は前を見据えていた。「自分の調子がどうこうではない。相手が上だったから打たれた」。南を救援して、5回裏から2番手で登板。4回を投げ、5安打で4点を失った。「『決まった』と思った球を持っていかれた」。この夏、追いかける展開で初めてのマウンドだった。関東第一打線の圧力を感じた。140キロ台の速球もスライダーも、甘く入ると打ち返された。

県大会決勝の東京学館新潟戦では最終回に4番手で登板した。9回1イニングを3者凡退に抑えてガッツポーズをしてから17日後。県大会の通算打率4割9厘の打撃でも、4打数無安打、2三振と抑え込まれた。全国の壁の厚さを身をもって知った。だが、すぐに気持ちは切り替わった。「自分たちが中心になって、ここに戻ってくる」。

1年の春から主力に名を連ねてきた。ときには「出られない先輩たちの分も」と気負うこともあったが、そのたびに上級生や同学年のチームメートからリラックスするように声をかけられた。3年生に甲子園に連れてきてもらった夏は終わった。「次は(来春の)センバツに出て、優勝する」。チームの大黒柱になって大旗を目指す誓いを立てた。【斎藤慎一郎】