5年ぶりの“再会”は、八戸学院光星のU18高校日本代表候補・武岡龍世内野手(3年)に軍配が上がった。

智弁学園の坂下翔馬内野手(3年)とは、中1時の14年夏、故星野仙一氏が創設した日本代表に選出され、米国で開催されたカル・リプケン杯で準優勝した仲間だ。現在は、お互い主将で右投げ左打ちの遊撃手。

1回表、武岡が坂下のやや後方に飛球アウトとなって始まった一戦。武岡は3回に自身甲子園初弾となる中越え本塁打を放った。2安打1打点で貢献して10-8の打撃戦を制し、「かなわないと思っていた存在に勝てたので良かった。坂下のグラブをはじいたヒット。あいつが捕れない打球を打てたこともうれしい」。当時は絶大な守備力を誇る坂下に対し、試合では右翼に回らざるを得ない悔しさも味わった。高校通算23号以上に、6回に放った坂下を強襲した安打を喜んだ。坂下も2安打を含み、5打席すべてで出塁するなど、存在感は絶大だった。

米メジャーリーグのオリオールズ-ヤンキース戦も観戦し、当時ヤンキースで活躍していたイチローの試合前打撃練習を真後ろで見てくぎ付けになった感動は、お互い忘れていない。3日の組み合わせ抽選会後、武岡は2回戦で対戦する可能性が生じたことで「試合を楽しもうや」とLINEでメッセージを送った。誉(愛知)との1回戦で9-0と勝利し、実現させた。試合後は武岡から「ありがとう」と握手を求めると、「絶対優勝しろや」と坂下も強く握り返した。【鎌田直秀】