星稜・奥川恭伸投手(3年)の今大会初出場は代打だった。

13-0で迎えた6回の攻撃の先頭で「試合感覚を復活させたかった」という永田裕治監督(55)から、代打で指名された。「ベンチにはいたんですけれど、冗談かと」と驚きながら打席へ向かった。

初球はボール。2球目をファウルにすると、振り切りながら白い歯を見せた。5球目のスライダーをはじき返し、投手への内野安打とすると「ヒットを打ててうれしかったです」と安堵(あんど)。「ゲームの雰囲気とか、フィールドに立たないと分からないこともあるので」と話した。星稜・山瀬慎之助捕手(3年)が代走に出て、ベンチに退いた。

甲子園決勝まで戦い抜いた疲労を抜いている段階にある。「自分自身が無理したくない。疲れが完全に抜けきってからでないと。自分をだましながらやりたくない」と現状を説明した。侍の大黒柱は、スーパーラウンド(9月5日~)での登板を目指しながら、調整を進めていくことになりそうだ。