東京学館新潟が日本文理を7-5で下した。東京学館新潟の9番・五十嵐遥邪(はるき)二塁手(2年)が2回の先制打に続き、5回には右越えソロ本塁打を放つ2安打2打点の活躍。先発の高橋駿投手(2年)も7回2/3、151球の力投で、夏の県大会決勝と同カードとなったリベンジマッチを勝利で飾った。

日本文理は先発・種橋諒投手(2年)が4回を被安打8、6失点と乱調。終盤の追い上も届かず、昨秋からの県内公式戦連勝は18で止まった。今日17日試合がなく、3回戦は18、19日に行われる。

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夏決勝の雪辱を果たした。2回1死満塁。9番五十嵐が右前適時打を放ち、県王者・日本文理に先制パンチを浴びせる。「積極的に打ちにいこうと思っていた」。強気なスイングが打線に勢いをもたらし、この回一気に4点を挙げた。

先制打の9番打者は6-1の5回にも力強い打撃をみせる。2死走者なし。内角低めのスライダーをとらえると打球は右翼席へ。この一撃が高校初の本塁打となると、少しはにかみながらダイヤモンドを1周。ベンチに戻るとナインから祝福を受けた。

13日の1回戦・新発田南戦で五十嵐は2番で出場した。3打数1安打も打撃不調を理由にこの日は9番に打順を下げていた。「今日(16日)の出来は驚き。ベンチからは塁に出るのが仕事と言われていたが、こういう結果になってうれしい」と自身も“想定外”の結果に笑顔だった。

「うちが最初に日本文理を倒すチャンスを得たんだ」。秋季大会の抽選後、長谷和昭監督(58)はナインにこう呼び掛けた。今夏、初めて駒を進めた決勝で日本文理に3-12と完敗。リベンジのため、引退した3年生も協力。速球派投手が並ぶ日本文理を想定し、大会1週間前から夏の左右エース田村颯瀬(左投げ)、長谷川輝(右投げ=ともに3年)が打撃投手を買って出た。夏決勝に8番で先発出場していた五十嵐は「3年生の悔しさは痛いほど分かる。勝つことができて良かった」と総力戦で準備した末の勝利を喜んだ。

ただナインはすでに前を向く。「この先も1戦ずつ戦い、勝利していく」と五十嵐。見据えるのは県王者、北信越大会、来春センバツ。初の甲子園への戦いは始まったばかりだ。【山岸章利】

▽ピンチを乗り切るたびに雄たけびをあげ、自身を奮い立たせた。先発の高橋駿投手(2年)が7回2/3、151球の力投。終盤、日本文理の追い上げで5失点を喫するも、6回までは被安打2に抑えた。2回、日本文理の4番中田龍希(2年)に高めを痛打され初安打を許すと「低めならそこまで打たれない」と以降、低めへの投球を徹底。熱い心と冷静な頭脳を持つ背番号1が強力打線に自由を与えなかった。