第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)に出場する仙台育英(宮城)が28日、センバツのベンチ入りメンバー選考を兼ねた全34試合のサバイバル紅白戦を終えた。

多賀城市内の同校グラウンドで、時折雪の舞う中でラスト2戦。田中祥都主将(2年)は「いろいろな角度から野球が見えるようになったし、チームの勝ちに行く形が出来るようになってきた。新しい選手も結果を出してくれて、求めていたものが生まれた。ここからは長所をさらに伸ばして、力を結集したい」。昨秋にベンチ外だった選手が主力組に抜てきされて主力組を脅かすなど、新戦力も急成長。チャンスをほぼ均等に与えられた中、約50~60打席の結果をデータ化。今後は人数を絞って、強化していく。

選手個々の可能性も広がった。三塁手だった田中は、二塁手にも挑戦中。中学での経験は少しあるが、高校では一塁、三塁が主。「みんなが複数ポジションを守れれば、チームにプラス。外野手のポジショニング指示や、カットプレーの位置など難しい。二塁はやることが多い」。この日も失策はあったが、好プレーも随所に披露し、信頼を勝ち得ている。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、3月2日から休校が決定した。練習も2日~4日までは休み。4日に実施される日本高野連の会議結果次第で、今後の予定は不透明だ。田中は「どうなるか分からない不安はあるが、自分たちのやるべきことに向き合うだけ。歴史に残る大会にする気持ちは変わらない。優勝したい」。サバイバルに生き残った育英戦士には、悲願の日本一をつかむための強力な武器が備わってきた。【鎌田直秀】