選抜高校野球を中継し、大会期間中のハイライト番組「みんなの甲子園」(MBSテレビ、関西ローカル)で、進行を務める阪神タイガースOBで野球解説者の赤星憲広氏(43)が11日、大会の中止を受け、MBSを通じてコメントを発表した。夏の大会の規模を拡大するプランを提案した。

赤星氏は「甲子園の切符をつかんだ32校の選手たちからすると、正直『なんでなんだ』という感情なんだと思うんですよね」と、球児の心境を思いやった。

その一方では「逆にもし開催されるとなっていた場合は、相当な覚悟も必要だったと思うことも事実。(新型)コロナ(ウイルス)問題で体調面も気にしなければいけないし、世論が気になり、プレーだけに集中できないというリスクもある。そういう意味で開催された場合、選手たちのメンタル的な部分がどこまで耐えられるのか」と、中止にいたったやむを得ない状況にも理解を示した。

赤星氏自身も愛知・大府高時代に、センバツへの出場経験があり「選手たちには、甲子園でのプレーで何かを経験して、今後の野球人生に生かしてほしいなというのが、野球人としての僕の思いだった」とも吐露した。

さらに、学生野球の指導者としてのメッセージには「僕は今回の件で、『中止になりました』だけで終わらせてはいけないと考えている。それだけではあまりに選手がかわいそうすぎる」と指摘。「もう1回センバツ」は無理と承知の上で「なにか選手の心を救ってあげる新たな埋め合わせ」を求める考えだ。

その具体例として「例えば、夏の大会の出場校を増やす」をあげ、センバツ切符をつかんでいた学校も含めて、大規模な夏の大会とするプランを提案した。

「夏の地区予選は通常通り行い、もしセンバツ出場予定だった高校が優勝したらそのまま、そうでなければ優勝校とセンバツ出場予定校の両方を代表として出場させる。結果出場校が70校や80校となって、運営が大変だろうけど、『大変な年』だからこそ『大変なこと』を検討すればいい」

「特別な年」ゆえの「特別大会」にする持論を展開した。