仙台一(宮城)硬式野球部の「頭脳」関戸悠真外野手(18)が東大の理科2類に現役合格した。「なんだか実感はない。大学に入ったら名門校のグループが出来ていて独りぼっちかもしれない。まずは友達づくりから。今はやりたい勉強が見つけられていないので、入ってから選べる東大が魅力でした」と笑った。

2年秋は背番号をつけて“監督”も務め、千葉厚監督の指示でサインも出した。仙台東との中部地区予選代表決定戦では8番打者の1死一塁で「打て」の言葉を聞き間違えて「バント」のサイン。ファウルになって修正は出来たが「ドジな部分もあって、相手にサインを感づかれてしまった時もありました。行動する前に自分で考えることも学べました」。最後の夏はベンチ外でボールボーイだったが「受験と野球は同じ。ギャップを埋めるために作戦を立てたり工夫したり」。昨夏以降に本格的に開始した受験勉強でも飛躍的に成績を伸ばし、12月に志望校を上方修正。“勝利”につなげた。

公式戦唯一の打席は仙台二との定期戦での代打。投飛に終わったが、名取一中から始めた野球生活に悔いはない。「運動祭で棒倒しとかをやって肉弾戦が向いていると思った。大学ではラグビーをやってみたい。絶対にW杯を見てっていうミーハーな気持ちじゃないですからね」。同校名物でもある体育で着用する赤い水泳パンツが、自身の気持ちを高める必勝アイテム。心を熱く燃やし、赤パンで赤門をくぐる。