新潟県高野連は20日、日本高野連が新型コロナウイルスの影響により、8月10日開幕予定の全国高校野球選手権(夏の甲子園)開催中止決定を受け、新潟東高で会見を行った。富樫信浩・県高野連会長(59)は現実を受け止め、各校指導者に部員のケアをお願いした。新潟独自の大会開催については今後、可能性を探ることを明かした。

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「大変残念です」。富樫会長は、夏の甲子園中止決定を受けた心境を話した。新型コロナウイルスの感染を完全な形で防止することはできないという日本高野連の判断を「致し方ない決定」と受け止めた。

今後は野球部員、特に3年生の心のケアに努める。富樫会長は「まず、現場の指導者の方々が気持ちを切り替えてほしい」とした上で「夢が絶たれたのは球児だけではない。それを理解して、いかに次のステップにつなげていくか。機会があればメッセージを伝えたい」と話した。

次は、県独自の大会開催の可否が注目される。富樫会長は「社会情勢がどうなっているか。学校が再開になっていない状況では判断ができない」と話した。県立校は6月1日から授業が再開される予定だが、部活動に関しては不透明。各校とも2月から十分な練習ができていない状況で危険も伴う。「野球の場合、ボールが頭に当たれば命に関わりかねない」。富樫会長はリスク回避を重視した。

一方で「現場の意見を聞きたい」と県高野連の幹事会や現場の指導者からの考えも参考にする。9月には秋季大会が控えているため「9月に開催するのは現実的ではない」とし、「チャンピオンを決める大会にはできない。トーナメントの大会のイメージでは無理。練習試合、リーグ戦は考えられるかもしれない」。今後は選手のために指導者が知恵を絞る段階になった。