青森ではこの日から各学校長の判断に基づいて練習試合が解禁となり、青森北高グラウンドでは弘前実、弘前東が集結して総当たり戦を行った。

青森北・工藤公治監督(47)は今年初戦の弘前実戦を勝利で飾り、「プレーボールがかかった時と先制点が入った時に思わず涙が出てきた。約2カ月遅れているわけですし、いろんな思いがこみ上げてきた」と感慨に浸った。

5回まで無安打に抑えられていた打線は、先発投手交代後の6回に2死三塁と攻め、成田優雅主将(3年)の中前適時打で先制点を奪った。「チャンスで4番が崩れたらチームは負ける。何としても食らいついて打ちたかった」と主砲の意地を見せた。

青森北は夏2回、春1回の甲子園出場を誇る古豪。工藤監督は今夏の中止が検討されていることを知り、「もし県大会で優勝したら、甲子園に連れて行く」と3年生に約束した。「甲子園の土は踏めないけど、甲子園を見て感じることはある。何か子どもたちに残してあげたい」。代替大会開催は各高野連の判断に任されている。開催実現を祈りつつ、42年ぶりの夏制覇のため、一投一打に磨きをかける。【相沢孔志】