盛岡四は十良沢(じゅうりょうざわ)優至捕手(3年)と一盃森(いっぱいもり)大智外野手(3年)の珍名2人が、94年夏以来の県頂点を導く。岩手県高野連は16日、盛岡市内で県独自代替大会の盛岡地区(7月2日開幕、岩手県野球場)組み合わせ抽選会を責任教師によって実施。盛岡四は盛岡市立との対戦が決まり、勝てば県大会切符を獲得する。

名字由来netによると、十良沢の姓は全国3万524位で約100人。守備の要としてエース左腕・山崎諒(3年=写真は東北題字)を引っ張るだけでなく、左のスラッガーとして打の中心も担う。今冬にベンチプレス、スクワット、デットリフトで筋力強化に努めてきた成果が結実。昨年まではわずか1本だった本塁打を今春以降の練習試合で量産中だ。「脱力した状態でインパクトの瞬間に力を伝えられるかが重要。1日3本打ちたい。活躍すれば名前も覚えてもらいやすいのでインパクトを与えたい」。私学強豪の好投手の脅威となる。

一盃森の姓は3万8713位で約70人。「祖父が11人きょうだいで大ケ生(おおがゆ)地区がルーツ。ほとんどが親戚です」と明かした。昨春は県大会準決勝で盛岡大付を破り、夏も大船渡の佐々木朗希投手(現ロッテ)を最後まで苦しめた。昨秋は代表決定戦で盛岡三に敗れて県大会出場を逃しただけに「朗希さんとの対戦で四高を応援してもらえるありがたみを感じましたし、秋は雰囲気や流れの大切さも学んだ。(甲子園はなくなったが)県で優勝して地元に喜んでほしい」。鋭い振りと小技を武器に、つなぎ役として貢献する。

同校は岩手県最後の公立優勝校。花巻東、盛岡大付、一関学院などの強豪を撃破し、昨夏の大船渡に続く躍進を狙う。【鎌田直秀】