夏季岩手県高校野球大会・北奥地区予選の組み合わせが18日、決まった。

東北地方の代替大会のスタートでもある7月1日の開幕カードは、水沢商-専大北上戦に決定。水沢商は昨年度まで盛岡四の監督だった及川優樹部長(43)が今春に赴任し、小山智之監督(53)との二人三脚で指導する。新型コロナウイルス感染拡大の影響で目標だった甲子園への道は絶たれたが、新体制の初陣となる大会で、まずは東北1番星をもぎ取る。【高校野球面に関連記事】

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水沢商の及川新部長が新風を吹き込む。盛岡四を率いた昨春は、準決勝でセンバツ帰りの盛岡大付に競り勝つなど準優勝。夏4回戦では最速163キロの佐々木朗希投手(18=現ロッテ)擁する大船渡に敗れたが、延長12回の激戦を演じた。及川部長は「監督の意図をかみ砕いて伝え、小山野球の力になれるようにサポートしたい」と新天地での指導に力を注ぐ。

小山監督も「生徒たちは違うことを学べる。私の相談相手にもなってくれる」と歓迎だ。新型コロナ感染者ゼロの岩手県内では4月以降、制限を受けながらも練習を続けることができた。練習試合も10戦以上を消化。小山監督は「今日が最後になるかもしれない。どういう終わり方をさせれば良いのか」という思いで、3年生たちを見守った。

1年時から主力の4番エース千田大輔(3年)ら昨夏からのメンバー全員が残る。だが昨秋は地区予選敗退。本番で実力を出し切れない勝負弱さの克服を課題にしてきた。及川部長からミスした後の「バウンスバック(立ち直る、挽回)」という言葉も学んだ。小沢優斗主将(3年)は「これまで知らなかったことを分かりやすく教えてもらえる」と感謝する。代替大会は3年生が引退する秋以降の新チーム強化を考え、1、2年生主体で戦うという選択肢もある。だが及川部長は「3年生のために開催する大会だと思う」。小山監督も「ベストメンバーで戦いたい」。小沢主将は「ほかの部活では引退した3年生もいる。感謝して後輩たちにつなげたい」と意気込んだ。【佐々木雄高】