今秋のドラフト候補、花咲徳栄(埼玉)の井上朋也主将(3年)が星野(埼玉)との練習試合に1番三塁で出場し、4打数1安打1打点だった。

3打席目までは、遊ゴロ、空振り三振、三ゴロと凡退したが1点リードの7回1死二塁、内寄りの球に詰まりながらも中越え適時三塁打を放った。「待ってた球が来なかった」と追い込まれてからの一打となったが「しっかりバットが出てきた」と好感触だった。

高校通算47本塁打で1年時から甲子園に出場していたスラッガーだ。不動の4番が、この日は1番。埼玉の代替大会が7回制ということから、岩井隆監督(50)に「初回の先頭からガツンといってもらいたい」との期待を受け、リードオフマンに抜てきされた。「4番は打点が求められるけど1番は違う。セーフティーバントなども引き出しの1つとして考えている」と笑顔を見せた。

いつもと違うのは打順だけではない。木製バットを手に打席へ向かった。「しっかり芯にあたらないと飛ばないので難しい」と話すが、次のステージを見据え、成長するために挑戦を続けている。

甲子園での交流試合の組み合わせ抽選を8日に控える。戦いたいチームとして「履正社(大阪)」を挙げた。「中学の時にチームメートだった池田(凛)がいる」と理由を明かした。「佐久長聖(長野)の藤原(太郎)と池田と3人のライングループもある。親友です」。佐久長聖は今回の甲子園での交流試合に出場せず、藤原との対戦はかなわない。「親友」の思いを背負って、夢の舞台でもう1人の「親友」と戦いたい。新たな引き出しを得た1番のスラッガーが、甲子園でも存在感を示す。【小早川宗一郎】