水沢商が久慈に逆転勝利し、雨中の接戦を制した。0-1で5回を終了し、その後1時間24分の雨天中断を挟む。それまで無安打に抑えられていた打線は「終盤勝負」と腹をくくった。

勝利の流れを引き寄せたのは8回。四球と犠打で1死二塁と好機をつくり、2番後藤悠太外野手(3年)がチーム初安打となる、左前同点適時打を放った。外野が処理にもたつく間に三塁まで到達し、好機を広げた。続く千葉拓人内野手(3年)の犠飛で生還。試合をひっくり返し「仲間がつないでくれたチャンスだったので、積極的に振っていこうと思いました。1本出て良かったです」と笑顔で振り返った。

小山智之監督(53)は「ベンチで感激しました。7回までノーヒットに抑えられていましたけど、後藤がよく打ってくれた。雨天中断中に『仕切り直しだ。後半に流れが来るぞ』と選手に声をかけていました」。見事、ワンチャンスをモノにする劇勝だった。【佐藤究】