福島県の夏の代替大会「福島2020高校野球大会」は18日に開幕する。

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聖光学院には頼れる下級生がいる。2年生でただ1人、背番号(19番)を勝ち取った坂本寅泰外野手が、3年生の思いをバットに込める。坂本は「甲子園がなくなったけど、3年生との最後の夏。自分の持ち味の打撃で勝たせることができれば」。主将の内山連希内野手(3年)に憧れ、朝の練習では坂本が内山に厳しく内野ノックを打つのが日課だ。先輩と福島で一番長い夏にするため、打線の一翼を担う覚悟だ。

身長183センチの恵まれた体で、高校通算17本塁打を放っている。昨秋の敗戦から、スクワットで下半身を重点的に強化し、毎日500回以上の素振りをし、スイングに強さが増してきた。11日の壮行試合では主力組の3番に座り、2年生チームから豪快な1発を放ち「下半身が安定するようになって、どの球にも幅広く対応できています」と仕上がりは順調だ。

いわき市出身の坂本は「旧友」との再会も、心待ちにしている。同ブロックの磐城には中学時代に軟式の選抜チームで一緒にプレーした柳沢諄捕手、上田賢内野手(ともに2年)がベンチ入りしている。「全然会えていないのでグラウンドで戦えたらと思います」。ともに勝ち進めば、準々決勝で激突する。【佐藤究】